プロローグ

2/5
959人が本棚に入れています
本棚に追加
/144ページ
ガサガサ カチャカチャ 布ずれの音と、ベルトの金属が擦れる音。 そして微かな空調の音。 「じゃあ、これここに置いとくから。」 男が置いたのは数枚の千円札。 「せーんせっ。」 慌ただしく靴を履く男に、あたしは笑いかける。 「今日、あたしのたんじょーびなんだぁ。」 「えっ…。」 せんせいは戸惑いがちにあたしをみて、ぎごちなく困ったように笑った。 この笑い方が好きだったんだよなぁって、関係ないところで思ったりして。 「そ、そうか…。また、連絡するよ。」 そう言って逃げるようにして部屋を出ていく…。 ーーー元担任。
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!