プロローグ

3/5
959人が本棚に入れています
本棚に追加
/144ページ
「ばーからしっ。」 あたしとアイツが関係を持ったのは高2の時からだからもうすぐ4年になる。なのに誕生日も覚えてくれてなかった…、その事実に多少の虚しさを覚えた。 ふんっ。 鼻で笑ってしまう。 あのぎこちない困ったような笑顔に苛立ちを覚え始めたのは、いつ頃からだったっけ。 結婚すると聞いた時はまだ、好きだったような気がする。 ーーーーーー。 そっか。 奥さんが妊娠したって聞いた時くらいからだ。 あたしを抱きながら、奥さんともそういう関係… いやーーー考えていて慌てて取り消した。 逆だ、奥さんを抱きながらあたしとも関係を持っていたんだ…。 今更だけどね。最初から彼女がいるのは知っていたし、あたしと付き合うようになったから彼女と別れたとは聞いてないからーーー続いてたのは知ってた。 結婚するって言うのは寝耳に水だったけどね。 それでもあたしから別れようとしなかったのは“愛してた”からだと思う。
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!