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一人の少女が、見るからに頑丈そうな閉ざされた扉と対峙する。
その扉には一言「入室禁止」とのみ書かれていた。
少女は語りかける。
その扉に……その扉の向こうで救いを待ち続ける愛おしい者に。
「待っててね。絶対……絶対にアタシが助けてあげるから」
その者を救うためにどれほどの人が悲しむのか……。
どれほどの人に恨まれるのか……。
それでも少女は、ただ助けるとだけ決めていた。
どれほどの人を不幸にしても、どれだけ自分が傷ついても構わない。
絶対に助ける、と……。
「それじゃあ、行ってくるね」
静かに零れた涙をそのままに、少女は振り向き歩き出す。
自らが決めた使命を果たすために、遠く離れた異国の地へ……。
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