はじまり

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次の日、俺は教室に向かう前に職員室に向う。 昨日先生と一緒に教室に来いと、みんなに言われたからだった。 「せーんせーえ。おはよーございまーす」 「おう、悟史。おはよう」 俺たちの担任の長江先生。32歳。既婚者で幼稚園に通ってる娘さんがいる。前に写真見せてもらったけど、可愛かった。目元は先生そっくりだったな。その時の先生といえば、鼻の下のばしてデレデレだった。生徒想いで、滅多に怒ることがなくて、いつもニコニコしてる、いい先生だ。ちょっとなめられてるけどね。 「函南くん、転校するんですってね。イタズラっこの君がいなくなるなんて悲しいわぁ」 英語の坂元先生。 年は永遠の25歳……らしい。 「さかもっちゃんも俺のこと忘れないでよね」 「坂元先生でしょっ!」 今はよく生徒と教師との対立なんてよくある話だけど、俺たちの学校には無縁な話だな。 「よし、そろそろ教室行こうか」 「はーい。じゃあ先生方、お世話になりました」 「また遊びにきなさいね」 「元気でな」 「さみしくなるなー」 職員室にいた先生たちに最後の挨拶をすませ、みんなが待つ教室に向かった。
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