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「ゲホッ、ゲホッ……ゲホッ!……ハァ、ハァ、ハァ」
俺はフラつく身体を引きずりながら、ある場所へ向かっていた。
何度も倒れ、ボロボロの足と泥に汚れた白いを気にせずに歩いた。
……もう体力はない。
気持ちだけで棒のような足を引きずり、死ぬほど苦しい胸の痛みに耐えながら歩み続けた。
約束の場所に向かって……。
(まだ逝きたくない。あいつに会うまで……あいつに伝えるま……で……)
――――。
「ハァ、ハァ、ハァ」
私は走っていた。
綺麗にラッピングした四角い箱をしっかりと抱いて。
雨に濡れたアスファルトに何度も足を取られそうになりながら。
それでも走り続けた。
(早く!早く!間に合って!まだ逝かないで!まだ伝えてないから。まだ渡してないから。もっと一緒に……。だから……お願い!)
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