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「俺達も行こうか?」
胡々の元へ踵を反す和珠の背中が大きく見える。
――和珠の御蔭で、今、俺はここに居られるんだ――
俺はたくさん和珠に救われてきたんだと、実感する。
そんな和珠と俺は対等に戦えるのかな?
勿論、負けるつもりは無いけれど。
じっと和珠の背中を見詰めていると、和珠がこちらを振り返り手招きした。
「晶輝、具合でも悪いのか?」
「……いや、和珠っていい奴なんだなって思って」
するりと口にした一言に、和珠は柔らかく微笑んだ。
「なんだよ、もう降参するのか?」
「ッ/////違うッ!!そうじゃなくて!逆に、こう、負けられないっていうか……」
「そうだな、負けられないな……でも、敵は俺だけじゃ無いぞ?」
「えッ!?……ああ、大君候補の二人か……」
「……それだけじゃ無いんだよな……」
「ッ!?」
ぽつりとそう呟いた和珠は胡々の背に跨がると、驚きから固まる俺に手を差し延べる。
「続きは帰ってからだ、行くぞ!」
俺の恋は障害ばかりみたいだ。
でも。
琥珀は渡さない。
誰が相手でも、負けたくないから……
俺は和珠の手をしっかり握り締めた。
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