第二章 紅 真珠

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「……それとも、まだ解っていらっしゃらないんですか……?」 琥珀の熱が、心を焦がす。 想いが溢れて、決壊した。 「……どういう、意味////?」 ――もう、止まらない―― 「……こういう事ですよ」 耳元で囁いた自身の言葉を合図に、琥珀の首筋へと唇を落とした。 「あッ/////!?」 漸く事態に気付いた琥珀が私から逃れようと身を捩(ヨジ)る。 「……ゃッ////真珠!?……」 私を拒む両腕を、その細い手首を掴んで封じると、そのまま床に押し倒した。 「……なん、で/////ッこんなことするの!?」 黄金の瞳から雫が一筋流れる。 ――理由は、唯一つ。 「貴女を愛しているからです」 「ッ//////!?」 「……琥珀、貴女の総てを奪って、私だけのモノにしたい……その瞳に、髪に、肌に私が貴女をどれ程想っているかを刻み付けたいのです……他の誰の元へもいけない位に」 「そッ/////!?」 「……貴女はいつになったら気付くのでしょうか?」 「////!?」 照明に照らし出された汗が妖しく光った。 「そのような無防備な姿を誰にも見せないで下さいッ!!」 零れた言葉に、愛と嫉妬が入り混じる……
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