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「でもッ!?」
「忘れるな、我等は琉水晶との盟約を護るのみ。天より守護者の生き様をその眼に宿せ」
「ッ!!」
いてもたってもいられなくて。
角箔の制止を振り切り、講堂を、回廊を駆け抜け、水鏡に向かった。
白い円状の術式が施された小さな泉。
俺は水鏡の前に、幾日も座り込んだ。
――琥珀が笑ってくれた日まで。
琥珀が異世界に馴染んでいく度に増えていく笑顔が嬉しくもあり、こちらの世界を忘れていく様は寂しくもあった。
―
導師の術が効力を失い始めた頃。
琉国は完全に王水のモノだった。
土地は荒廃し、涸渇した民は惑い、苦しみ、その手に武器を取っている。
――こんな時代に戻されるなんて!!
俺の不安通り、琥珀は帰国後直ぐに命を狙われた。
どんなに助けてあげたくても、ただ観ていることしかできない……
だから、琥珀が竜泉郷に来てくれた時に誓ったんだ。
契約は、絶対護る。
これからは傍に居るんだ。
今まで護れなかった分まで、これからはずっと俺が琥珀を護るんだ……!!
―
―
―
琥珀が帝位に就いて、三年。
変わらない日常が何時までも続くと思っていたのに……
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