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珍しく早起きした朝、いつもなら寝坊している時間に朝儀に出席する事が出来た。
得意げに席に着くと、琥珀が笑顔で迎えてくれる。
「おはよう、晶輝。今朝はちゃんと起きれたんだね。偉い偉い」
優しく頭を撫でられた。
「う、うん////!」
褒めてくれて、嬉しいんだけど。
なんだか琥珀は最近背も伸びて大人びたせいか、こうやって俺をあやすような仕種が増えた。
俺の人身の姿がずっと変わらないから……?
なんて朝儀中にぼんやり考え事をしていると。
「わたしが結婚!?」
琥珀が信じられない事を口にした。
話を続ける蛍夕の声を、何処か遠くに感じながら、今にも叫び出しそうになる。
琥珀の『特別な存在(ソバ)』は契約体の俺の居場所だ、と。
どうしてこんなに悲しいんだろう……
「晶輝?」
気付くと朝儀は終わっていて。
講堂には、俺と琥珀しか居なかった。
俯く俺の顔を琥珀が心配そうに覗き込む。
「どうし……」
肩に手を置かれた刹那。
この温かい掌が他の『特別な存在』に向けられるのかと思うと、凄く寂しくて。
【ガタン】
琥珀に何も言えなくなって、そのまま講堂を飛び出した。
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