~誕生日~

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ここはとても深い森の中。あちらこちらに山があり、360度草木に囲まれていた。 そこに一軒、木でできた家が建っていた。 大きいとはいえないが、家の中は幸せでいっぱいだった。 未来を知らない今だけは…。 「お母さん、お父さんおはよう!」 この子はリン・フロリダ。 髪は白銀で輝いている。瞳の色は吸い込まれるような蜜色だ。 「おはようリン。お誕生日おめでとう」 リンのお母さんが優しく微笑みながらリンに言った。 リンの髪は母親譲りらしい。 リンと同じ白色で光があたり、銀色のようだった。 「おめでとうリン、今日は派手にお祝いしないとな!」 イスに座っていた男が言った。 この人はリンのお父さんだ。 濃い茶色の髪と同じ色の瞳。男らしい身体つきで、明るく笑っていた。 そう、今日はリンの13回目の誕生日なのだ。
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