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しばらくすると、川のほうに出た。
そこには小さな子鹿がいる。
なんと運がいいんだ!シカの親は近くにはいない。
リンは矢をそっと抜き、構えた。
子鹿はリンの匂いにも気づいていない。
リンは矢を放った。
矢は見事にシカの腹に刺さり、シカは悲鳴をあげて倒れた。
急がなくては親ジカがきてしまう。
親ジカに蹴られたらひとたまりもない。
リンは子鹿に優しく言った。
「短い間だったが、お前はよくやったよ。お前に感謝する。立派なお前を大切に扱うのを約束する。」
それから、シカの肉を与えてくれた精霊たちにも感謝した。
「さぁ、いけ。ゆっくり休んでいいからね。」
リンはナイフでシカにとどめをさした。
苦しむよりは楽だろう。
そしてシカを運び、軽い足取りで野営地に戻った。
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