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「僕はここまで。いいかい、おじょうさん。ここを出るまでに、絶対に振り返ってはいけないよ、魔物は最後まで君を見てるよ」
「わかったわ」
女の子はウサギと約束して森を出ました。
女の子が森を出てから、ウサギはその身をブルリと震わせ、その場で一回転しました。すると、その姿はたちまち黒い翼と鋭い牙を持つ魔物になったのです。
「くそ!食べそこねた!あの野郎腹に溜まるもん食べさせやがって!」
魔物は裂けた口を三日月型に曲げ、呟きました。
「まぁ……リンゴ、美味しかったよ、おじょうさん」
―――おわり―――
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