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私はこの時間が一番嫌いだった。学校なんだから座って先生の退屈な授業を受けていればそれでいいじゃない?なのに…なのに!なんで?なんで実技なんてやらなくちゃいけないの!?
こんなの魔法とか剣技が上手な奴が自慢気に下手な人を見下すだけじゃない!!そう、私みたいな………。
『おい、またレイナが魔法使おうとしてるぜ』
『どうせ出来ないに決まってるのにな』
『ねぇ、危ないから離れましょうよ』
周りから小さな声でコソコソと話している声が聞こえる。
『なによ、言いたいことがあるならはっきり言えばいいじゃない!!見てなさい!絶っっ対に成功させてやるんだから!!』
私はアイレイス、王家の人間なのよ?大丈夫、きっと出来る…大丈夫!
『我 雷の御力をもちて 我が敵を撃ち滅ぼさん エクリール!!』
…
……
………何も起こらない
『ぷ…あはははは!見たかよ今の!?』
『エクリール!!だって!あんな下位魔法も使えないのかよ!』
ぐっ…悔しい……
泣きたい…でも、王家の者が人前で泣くなんて許されない…。私はゆっくりとその場から立ち去ろうとした。その時!ドゴォォンという轟音が鳴ったかと思い振り返ると、そこに1人の男の子が倒れていた。
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