俺様に足りないもの…

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走りはじめる馬車… パカパカパカパカ… 「なぁ… 居るんだろ?」 俺が体を沈めるシートの向かい側のシートの後ろからムックリと顔を出したのは… 「僕はいつだってユノユノ様のお側におります。」 御者の息子のテミン… 住み込みで働く 御者とメイドの職場結婚だったから 俺様の城で生まれたテミンは俺にとっては可愛い弟みたいな存在で遊び相手… 偉大な国王である父上や仕事で忙しい父上を支える母上よりも 俺の身の回りの世話をやいてくれる城の中で働く人たちの方が 俺にとっては近しい存在で “家族”だと思っている… 「いつだってお側に…か…」 そう呟き フ~~~っと長い長いため息をつく… そう… こいつがこうして俺にピッタリ張り付いているから… 俺は… 。
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