信頼

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「ラミア」 『小娘』 「…何?」 『…何だ?』 意味の無い譲歩を続けること5分、ラミアがおれた。 『聞くから言え』 「ラミアは旅人なの?」 アリエルは喧嘩の事など全く覚えていないように見える。 対するラミアはゆらゆらと小刻みに震えている。 『旅人では無いが、それに近いのだろうな』 少し含ませ気味にラミアは呟く。 「旅人なのに、自由じゃないの?」 『…あぁ、我にとって自由とは夢の様なモノだ』 まるで自分には縁が無いように言い放ち、ラミアはまた揺れた。 「…なら、アタシ協力するわ。 ラミアが自由になれるように」 『…小娘、何を言っている?』 聞こえる筈の無い溜息が聞こえる。 まるでその場の空気が代わりに応えるかのように。 「ラミアが自由になれるように協力するわ」 『…やはり、変わっておるな』 話しが唐突過ぎるとラミアはグチグチ言っている。 何が?と言いたい所だが、アリエルは引かない。 「だってラミアの喜ぶ顔が見たいの」 初めてアタシを必要としてくれた人への恩返し、と続けたアリエルはラミアがまた揺れた事に気付いていただろうか。
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