咎人

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年齢など聞いてもいないのだが、小娘は根がマジメだからな。 しかし、19で独り暮らし。 近親者にも出会った事はない。 考えてみれば、違和感を感じる事もある。 この世界で親と生き別れた人間なら、小娘以外にも居て不思議はない。 だが、小娘は近所付き合いもなく、ただ独りで生きてきたと言うのに近い気がする。 独りで暮らしているこの部屋は住み慣れた雰囲気が強いのだ。 しかし、この世界で独りで生きて来る事が可能なのか? 街や集落に近ければ独りで居ても安全かも知れないが、この世界には人間を捕食して生きるプレデターが居る筈だ。 確か、『咎人』と呼ばれていたか。 奴らに遭遇して女子供が生き延びられるとは思えない。 だからこそ、家を持ち独りで暮らしている事に違和感を感じ得ない。 幼少期はどう過ごして来たのだろうか? 考えても分からないのは確かか。 『…小娘、家族等は居ないのか?』 何故聞いたのかなんて、分からない。 ただ、もう少し小娘に近ければ何かが変わるかもしれない。 「…それは言わなきゃ駄目、なのかな?」
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