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さっきのラミアは、身内から見ても恥ずかしい程に取り乱していたと思う。
アタシから馬鹿にされて、当分ネタに困らない、とまで言われるくらいに。
洗濯物ぐらいでこんなに取り乱すなら、もっと人間らしいエピソードがあるんじゃないかな。
当面の間自粛しよう、って、先導者がこれでは示しがつかない、って嘆くラミアはなんだか、身近に感じられた。
「そう言えば、一つ思った事があるんだけど、ラミアって意外と若い?」
そう、会話の中で何か引っ掛かったんだ。
何て言うか、無理に威厳と距離を作ってるような。
『いきなりどうしたのだ?』
取り乱してる時に、声が変わった。
いつもの声じゃなくて、何て言うか高くなったような、普段みたいに低くないのに、自然だった。
だから、アタシぐらいの年齢かな?って思ったんだけど。
「何か無理してる気がして」
『…何を無理してると言うのだ?』
やっぱり、いつもの勢いじゃない。
こんなに不安を滲ませた声じゃないもの。
「喋り方と声のトーン」
『…小娘は、過敏なのではないか?』
ホンの少しの間だったけど、意味がある間だったと思う。
「なら良いけど、ごめんね」
多分、ラミアは何か隠しているんだと思う。
でも、先導者としてそれが必要な事なら仕方ない事だ。そう言い聞かせるのが今は1番良い気がした。
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