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『シャワーにも関わらず喧しいな』
ラミアの呟きを掻き消さんばかりの声量で聞こえるのは、シャワーを浴びて上機嫌な女の声。
ラミアはかれこれ30分はその声に悩まされていた。
何故髪を洗うのに30分も掛かる?
それは率直な意見であるが、疑問ではない。
やがて騒音は止み、暫くしてから原因が姿を現す。
「あぁ、やっぱり久しぶりの家は最高ね。
好きな時にシャワーに入れる。」
髪にフェイスタオルを巻いて、身体にバスタオルを身につけて女は戻ってきた。
『…小娘、お前に羞恥心のカケラを求めるのは酷な事なのか?』
声のトーンが落ちたラミアは、まるで溜息を着いた様だった。
「ラミア、文句あるならあなたも入る?
きっと病み付きになるわ」
女は気怠そうに応えながらも、語尾を強調した。
『遠慮しておこう』
それに対する同居人(?)も興味なさそうに応えた。
「そう言うと思ったわ、この光玉」
女の言葉は一聴して意味不明な表現だが、、ラミアを指し示すにはピッタリの言葉だった。
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