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横になったと同時に小野君の口から盛大な溜め息が聞こえた。だから…、よく聞き取れないけど、今の僕の行動に対して文句を言っているらしい。
何だかめんどくさくて、そのまま横になっていると急に強い力で腕を引っ張られた。かと思うと膝立ちになった小野君に抱きしめられた。
「なっ…なに!?」
「とにかく、気をつけて下さい。貴方は無自覚過ぎるから、神谷さんの一つ一つの行動が男の心を煽るんです。」
そんな事を言われたのは初めてで僕の行動の何が煽るのかが分からない。…ってか、そう思うのはお前だけだろ?
なんて考えたけど、小野君には言わなかった。正確には言えなかったんだけど。
あんな真面目な顔で言われてるんだし、小野君の思い違いではないのだろう。
「…かった。気をつけるよ?」
空いていた両手を小野君の背中に回した。何をそんなに心配してるのか分からないけど、とりあえず自分の行動が原因なのはわかっているから、一つ一つ気をつけて行こう。
君から忠告。鈍感な僕へ!
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