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「神谷さーん、アイス食べます?」
「ん。食べる」
「何味が良いですか?色んな種類ありますよ」
「何でも。」
茹だるような暑さなわけでも、特別寒いというわけでもないこの時期。ソファに並んでアイス片手に俺は雑誌。神谷さんは愛猫のにゃんこ先生を撫でている。
雑誌を読みながら神谷さんを盗み見る。何というか、アイスを食べる神谷さんは体に悪い気がする。
舐めた時に見える赤い舌だとか、アイスをくわえた横顔だとか。情事中の神谷さんを思い出してしまう。
「小野君?食べないの」
神谷さんに見とれて食べるのを忘れていたらしい。…ってか、溶けたアイスが指や手についてべとべとだぁ…。
洗わなきゃ。なんて呑気に考えていると神谷さんの顔が俺の手に近づいてくる。
ペロッ
「……ぅわぁあっ」
何してるんですか!そう言いながら引っ込めようとした右手はいつの間にかアイスを食べ終わっていた神谷さんの両手で阻止される。
「…んっ、あま…っ!」
右手のアイスは机の上に置かれ、べとべとな俺の手を神谷さんので包み丁寧に舐められる。
指、指の間、手の甲。んっとか少し官能的な声を上げながら。可愛い声を出しながらそんな事をされたら……。
「神谷さん…、もう、我慢出来ない、です…っ」
end.
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