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寝室の扉を閉め、ベットに腰をかける。
あれはどういう事なんだ?
どうして、漫画の中にだけ存在する人物が、現実に居るんだ?
考えれば考えるほど意味が分からなく、そして頭が痛くなる。考える事に集中し過ぎていたせいか、僕へと伸びる腕に気付かなかった。
グイッ、と腕を引っ張られベットへと押し倒される。
「えっ、ちょ、誰?」
焦る僕に対して、上にいる人物は寝ぼけているのか、ヒロC~ヒロC~と何度も繰り返す。
あっ、この声って。ゲームやドラマCDで聞いた事がある、小野君の声だ。
って事は、こいつはオノDなの?
「ちょっと、退けてよ!小野君、離せって」
いくら抵抗しても無意味だった。まだ覚醒しきれていない頭で小野って誰だよ~。俺はオノDだっつうの。とか何とかグチグチと言っている。
「おま、本当に退けって、わぁ、ちょ…ん、…んぅ」
オノDの顔が近づいて、僕の口に触れた。それは徐々に激しさを増して行く。少し開いた僕の口の中に、オノDの舌が入り込む。優しく咥内を動き回る舌は、僕の舌を器用に絡めとり、弱く吸ったあと出て行った。
まるで、小野君とキスをしているみたいで気持ち良かった。そのせいもあるからなのか抵抗する事を辞めていた。
それから直ぐにオノDの手が僕の服の下へ。脇腹を触られ、徐々に上へ上へと迫ってきた。
これはヤバイ…っ!
「…っ、あ…、さわ…んなっ!」
「いたああっ!」
オノDの手が僕の胸にある飾りに触れたと同時にオノDの腹を思い切り蹴って突き飛ばした。突き飛ばされたオノDは頭に?をたくさん浮かべていた。当たり前だよな、ヒロCだと思ってやっていたんだから。
ごめん、と心の中で謝りながらオノDの頭を優しく撫でた。
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