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「んで、何でわざわざこの世界に来たの?」
場所を移動し、人数分の珈琲を煎れたあと、ソファに小野君と僕、地べたにオノDとヒロCが座った。少し経ってから僕がそう尋ねた。
「それが、僕たちもよく分からないんだよね。にゃーさん達の餌を買って帰る途中だったのに、気付いたらこの部屋にいたんだよ!」
「俺は、ヒロCの帰りを待ってたら眠くなっちゃって、目が覚めたら蹴飛ばされたって感じっすかね~」
だから、何でここに来たのか分からないです。
「そっか。」
彼等がここに来た理由、目的は彼等自身にも分からないらしい。第一こんな事は初めてでどうやったら帰れるのかさっぱり分からない。
「じゃぁ、ヒロC、オノDはどうやって元の世界に帰るんですか?」
「んー、帰れるかさえも分からないと言うか、ごめんね。」
少し不安げなヒロC。当たり前だよね。僕も知らない場所、ましてや帰れるか分からない場所に来ていたらきっと同じ顔をする。
「ヒロC!大丈夫っすよ~、心配しなくてもきっと帰れます!」
と、オノDが大丈夫だと口を開く。安心させるように、こんな時に見るオノDの笑顔はとても眩しかった。
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