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「お、の、く、ん!」
後ろからぎゅうと抱きしめられ、おめでとう、と囁かれた。神谷さんとの方に向こうと体を動かすと向かないで、そのまま。と言われさっきよりも強く抱きしめられた。
「…神谷さん?」
「小野君、本当におめでとう。…小野君、僕達このままで良いんだよね?こんなに幸せで良いんだよね。小野君、迷惑…かもしれないけど、これからもよろしくね?」
好きだよ…。小さく言われ耳にちゅっとキスが一つ。
あぁー、もう、こんなに可愛い事をするなんて。…もう神谷さん無しじゃダメになっちゃいましたよ。
「ありがとうございます。俺も神谷さんが好き、愛してます。
顔、見たいんですが…」
後ろから抱きしめられているせいで神谷さんの顔が見れない。体を動かす度に抱きしめる力を強くされる。
「…あの、神谷さ「笑わないでよ!お、おお小野君今日お誕生日さまだから、だから、その…、とにかく笑わないで…っ!」……はい。」
何が何だか分からず神谷さんの迫力に負けてはい、と返事した。それから少しして恥ずかしそうに腕が解かれる。
「………。」
「………。」
「……神谷さ…ん。」
「………ん?」
「…え?」
ラジオだと放送事故になりそうな沈黙のあと、神谷さんの全身を言葉にならない言葉を上げながら見る。
頭にはネコ耳をつけ、メイド服を見に纏った神谷さん。短いスカート丈に、太股まであるニーハイ。これのどこを笑えと?
「神谷さん。」
「……………なに?」
「神谷さん、確か明日の仕事オフでしたよね?俺もオフです。…だから、別に激しくやろうが関係ないですよね?ん、まああったとしても聞き入れませんが。何でか?誘うような格好をしてる貴方が悪いんです!では、遠慮なく。」
何やら神谷さんが騒いでいるけれど、ここは敢えて無視を決め込む。ここで最初の神谷さんが言った言葉を思い出す。
ふっ、逮捕しちゃうぞ、貴方に俺を逮捕するなんて無理ですよ。だって、俺はもう――。
end.
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