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今日は俺も神谷さんも一日中オフの日だった。珍しく重なったオフの日、前からお邪魔する事を決めていた俺は今、神谷さん家に向かっている最中だ。
神谷さんとはただの先輩後輩の関係ではなくて、恋人と言う関係だ。
仕事で会う事はあって話しはしたけれど、神谷さんに触れたり、キスしたり、それ以上のことはここ最近していない。だから、今日の休みは普通の休みとは少し違う気がした。
神谷さん家にお邪魔することになって来たのは良いけど、タイミングが悪く神谷さんは台本チェックの最中だった。邪魔するのは悪いと思った。けど、あまり神谷さんに触れてないんだからっ!隣に座るくらいいいじゃないかっ!
そんな事を一人で思っていると不意に神谷さんに声を掛けられた。
「小野君、ちょっとこっち来て」
「来ても何も隣にいるじゃないですか!」
「…!いっ、いいから来て」
頭に?を浮かべながら、座っていたソファから立ち上がり、神谷さんの傍に歩いた。って言っても2、3歩だけどね。
「神谷さん?」
「小野君…、あのさ、僕が今からする行動、すぐに忘れてね?」
「…?」
ぎゅっ
え、神谷…さん?
これはどういう、え?ちょっと待てよ?神谷さんがこれからする行動?それはつまり…、これの事ですか?
「神谷さ…」
「……………。」
神谷さんがした行動はと言うと、ソファーから立った俺の腰に神谷さんが腕を回していて、俺のお腹らへんに神谷さんの顔がぎゅうと押し当てられていて。
「神谷さん…。」
「…んっ」
俺は空いた片手を神谷さんの頭の上に乗せて優しく撫でた。神谷さんのサラサラな髪質がとても心地好かった。
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