甘えん坊。

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それから暫くの間、神谷さんは俺の腰に腕を回して抱き着いたままだった。 「…ありがと」 そう小さく呟いて回されていた腕が解かれた。だけど、今度は俺が神谷さんを抱きしめる。 「小野くん?」 「神谷さん、寂しいなら寂しいと言ってください。無理に我慢なんてしないで?俺、神谷さんの寂しそうな顔見たくないですから」 ニコッという効果音が似合いそうな顔をする。それを見た神谷さんの顔が赤くなっていて、「気持ち悪い」と言われたけど、きっと照れ隠しだろう。そうじゃないとしたらこの赤い顔はどう説明するのだろう。 「小野君、寂しい、会えなくて寂しかった!これからまた会えなくなる、だから、だからね、今日だけは」 たくさん、甘えさせて。 -end-
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