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「…にゃーさん、僕ってやっぱり小さい?」
今日のラジオの収録で小野君に言われたあの一言。収録では笑っていたけど、やっぱり少し、傷付いた。
“BIGってTシャツ着てんじゃねぇよ、ちっちぇーだよ”
僕ってやっぱり小さいよな。
そんな事を考えていたら、携帯が鳴った。確認なんかしなくたってわかる。これは小野君専用の着信音だから。
「……なに?」
テンションを下げ、いつもより暗い声で電話に出る。すると、ごめんなさい。と謝る小野君の声がした。
「何謝ってんの?」
『いや、だって…、神谷さん俺が言った事…』
「気にしてなんかねぇよ!俺は、小さいもんね」
これじゃあ、気にしてるのがバレバレじゃないか。
『神谷さん、怒ってますか?』
電話から聞こえる声は本当に申し訳なさそうで、もし、小野君が犬だったら耳がシュンと垂れてるんだろうな。そんな小野君を想像したら何だか可笑しくて笑いが出た。
「…ふっ、あはははっ!」
笑い出した僕に小野君は意味が分からず、えっ?えっ?とばかり繰り返していた。
「怒ってねぇけど、気にはしてるよ。小さいは僕にとって禁句だから、ね?」
『ぅうー…、本当ごめんなさい。分かってたんですけど、口が勝手に』
「それはそれで何か傷付くなぁ~」
『えっ!?ごめんなさい』
「あははは、嘘だよ、バーカ」
僕の一言で小野君の発する声のトーンが変わるのが面白くて、わざと言ってみる僕。
「あ、そうだ小野君!今から僕ん家に来れる?」
『あ、はい!大丈夫ですよ…っていうか、もう近くに来てますから』
「えっ?そうなの?じゃあ待ってるね!」
ふふっ、今日の仕返しはいつも以上だから覚悟しとけよっ!
-end-
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