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『小野君、今すぐ僕の家に来い!』
久しぶりの神谷さんからの電話。何かと思って出てみれば神谷さん家に来いという。それだけ言うと俺の反応なんか聞かずに切ってしまった。
神谷さん、アンタ今何時だと思ってるんだ?良い子はもう寝てる時間ですよ?居ない神谷さんに言っても意味はなく、財布と携帯を持って自宅を後にした。
「小野君、遅い」
「遅いって神谷さん!アンタ今何時だと思ってるんですか!?」
「何時って…、夜の11時だけど」
それが何?的な目で俺を見ないでください!
「普通、寝てますよ」
「僕はまだ起きてるから、それにさ小野君。君も12時過ぎてから僕ん家来てたりするじゃない!」
「そっ、そうですけど…」
「小野君、さっきから煩いんだけど?」
呼んでおいて、それはないよね!いくらなんでも酷いですよ!
「小野君…、ごめん。こっちきて」
急に威力が無くなった気がするけど、どうしたんだ?なんて事を考えていると自分の手に違和感が。そう、神谷さんが俺の手に自分の手を重ねて来た、というか握ってきた。
「かっ、神谷さん!?」
驚きのせいで少し声が裏返ったけど、神谷さんは気にせず俺の手を引いたまま廊下を歩く。
連れて来られたのは神谷さん家の寝室だった。
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