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それから青田が待つ部屋に前に着いた2人。
翔太は扉を少々強めに叩き、中からの反応を待つ。
2人が来るのを今かと待っていたかのように、入れと言葉が返ってきたのはすぐのことだった。
翔太はハナに目を向けて合図をするとハナは小さく頷き、青田が待つ部屋の扉を開けた。
「失礼します」
2人が声を揃えて部屋に入ると、5、6畳程の部屋の真正面に位置する大きなソファーにどっしりとした様子の青田が座っている。
「まぁ、2人とも座りなさい」
青田は笑みを浮かべて座るように促す。
翔太とハナは青田に言われた通り、向かいに用意されたパイプ椅子に腰を下ろす。
「ここに呼ばれた理由は分かっているな」
青田の言葉に頷いて反応したのはハナだった。
「分かっています。最近私に指名を変えようとしているお客様が増えていること…ですよね」
「あぁ、そうだ。実はなそれに不満を持つ者が多くなって私の耳に入ったのだ」
青田はどうしたものかと言いたげに眉を下げている。
また、唇の両端はつり上がり笑っている様だが、目は鋭く全く笑っていないように見える。
それに気づいたハナも同じく、不適な笑みを浮かべている。
部屋に漂う空気はとても重たく、耐えきれなくなった翔太は咄嗟にく立ち上がってしまった。
「青田さん、口を挟んですいません。ハナへの指名変えが多発しているのは事実です。でも彼女は普通に接客をしていただけです。指名を変えさせるような行為は全くしていません。だから、その…えっと」
咄嗟に立ち上がっただけでなく、口まで出してしまった彼は後の言葉が出ない。
慌てる翔太を見た青田は、ワハハと笑い声をあげた。
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