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「いやぁ、しつこくて申し訳けどハナちゃん本当に可愛いよね。それに…」
田辺はハナを頭の先から足の先までゆっくりと流れように見つめる。
「そ、そんなに見ないでくださいよ」
「すまないね。あまりに綺麗だし、スタイルも良いから男として見ずにはいれないんだよ」
ハナは恥ずかしそうに俯きながら、彼に向けていた体を少しだけ反らした。
「あはは。ごめんね。それよりハナちゃんはいくつなの」
「えっと…20歳です」
「へえ、それじゃいつから此処で働いているの。僕はこの店に通ってる方だけどハナちゃんのこと知らなかったな」
田辺はハナへの興味が抑えきれないのか、先程からいくつもの言葉と熱い視線を浴びせる。
「えっと…働きだして半年です。最近になって出勤を増やしたので…」
話の途中だが、ハナは田辺の方とは逆に顔を向けた。
その先にはトレイを持つ黒服の男。
トレイの上にはハナが頼んでいた飲み物が置かれている。
ハナはありがとうと呟いてグラスを手に持ち、田辺に顔を向けた。
「すいません。まずは乾杯しましょう。お話はそれからで。」
その言葉に田辺は慌てたようにグラスを手に取り、そのグラスをハナの持つグラスと重ねる。
グラスは綺麗に甲高い音を鳴らした。
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