ザ・タイツマン

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今日は日曜日だ。 小春日和の今日、まだ朝方は風が 冷たく感じたりもするが 昼日中の今はぽかぽかした陽気に包まれ 子供連れの一家が仲良く買い物を しているそんな平和な商店街。 何処からか飛んできた紋白蝶が ヒラヒラと俺の前を横切り その不規則な姿がフルフェイスの ヘルメットに映る。 場違いと言うにも程があるその姿に 二の句が次げない俺に構わず 赤タイツは嬉々として言葉を紡ぐ。 「その立ち振舞い、やや抜けた顔 まさしく正義の味方の サポート役にふさわしい姿、 君がいれは私の活躍にも 華が出るに違いない。」 何やら俺には理解不能な 思考回路を持っているぽい コスプレ野郎は一人盛り上がっている。 対する俺は不審者に声をかけられた場合 常識人として取るべき行動を 頭の中で協議した結果。 「そこのお巡りさーん 変質者がいまーす!」 大きな声で助けを呼ぶ事にした。
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