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鼻弄るの、好きなのかな。
「変な顔」
鼻をむにむに弄りながら、皆瀬くんが呟いた。
変な顔って……自分がやってるのに。
「俺がやってるのに酷いって顔してる」
え……たしかにそう思った。
「今はなんで分かるの?って顔。分かりやすいね」
むかっときて、手を払う。
そんなに分かりやすいのかな、と頬に手を当てて、少し揉む。
……私が、喋らなくても、わかってくれるんだ。
…………あれ、私、嬉しい、?
……わかんない。
私は急いでレシピ本を片付け、ノートをしまった。鞄を抱えると、皆瀬くんがいつのまにか入り口のほうに立っている。
小走りで近寄ると、皆瀬くんも歩き出す。
……あれ、これって一緒に帰るのかな。
右隣には、背の高い男の子。
………胸が、むずむずした。
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