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……今日もまた、図書館への道を歩く。
私は必ず帰りに図書館に寄っていた。
「あ、チビ」
あの男の子が、カウンターのそばに立っていた。その手には、本が握られている。表紙から察するに、昨日借りた本の続きの巻のようだ。
「お前、どうせ取れないだろ」
頷く。
「あ、あ、ありが、と」
相変わらず言葉はつっかえてみっともない。
男の子は変わらず、「いーえ。別に」と返した。ふいっとまた、それだけでいなくなる。
不思議だ。
どうして待っていてくれたんだろう?
よく、わからない人だ。
このシリーズの話は次で終わり。
きっと、男の子の気紛れも終わるだろう。
すこし、寂しい気もした。
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