恋人屋

契約

『はい、契約をされるなら財布の中身改めさせてもらうことになりますが』

『それは構いませんが。』

『では、契約でよろしいですか？』

『はい、お願いします。』

みちるは契約書にサインをすると、晴海に財布を手渡した。

『改めさせて頂きます』

『はい。』

そのとき、みちるはふと、思い出した。
カバンの中のポーチの奥にいざという時のために一万円札が入っていることを。
それを慌ててさがしだす。

『改めさせて頂だきました。三千五百円ですね。』