4:Philanthropy

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佳織はつぐんだ口元をわずかに動かして、舌先に擦りつけられたリンゴの香りと微かな甘みを味わい、すう、すうと鼻で呼吸をした。その姿を、緩く温かな木漏れ日のような微笑を、唇に含ませたまま真理は見守っていた。 「ありがとう。もういいよ?」
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