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ジンにそう言われると、すごく安心する。
ジンはいつもナイトみたい。
困ってるあたしを助けてくれる。
「うん。ありがとう」
「いやいや」
「あのね、ジンが男だったら、絶対にジンのこと好きになったって、本当は思ってたの」
やだ。思わず言っちゃった。照れるなぁ。なんか。
ジンはほんの一瞬、眉間にシワを寄せた、ように見えた。すっと耳たぶに手をやり軽くつまむような仕草を見せた。
ジンのクセ。
何か困ったり迷ったりした時の。
あ?……そうか!
やだ!
変なこと言っちゃった!
……女なのに
男だったらとか好きになったとか……わ。違う意味で恥ずかしい。
「あ!あの!変な意味じゃないからね!」
ジンが、ため息みたいにふっと小さく笑った。
「うん。わかってるって。私も、ユリが大好きだから」
「はぁ。良かった。変な告白じゃないからね?結婚しても、これからもずっとずっと仲良くしてね」
「……もちろん。ずっと」
「あたし達の友情は永遠だもんね」
「……うん」
「それにさ、女同士で良かったよね?」
「……どう、して?」
ジンは不思議そうな、ちょっと困ったような顔をした。
こんな顔であたしを見るジンを、初めて見ちゃった。
ちょっと嬉しいような気がする。
だっていつも
何でもわかってるのはジンで、困ってるのがあたしだったから。
しょうがないな。
迷える子羊に真実を教えてあげよう、みたいな得意気な気分。
「だってさ男と女でさ、付き合ってたら、いつかお互いの気持ちが冷めちゃったりしたかもしれないじゃない?女同士なら変わらないもん。永遠に不滅でしょ?」
ジンは神妙な顔をした。
そして、あたしの目をじっと見た。
どうどう?感動した?
あたしだって、たまにはすごくいいこと言っちゃうんだから!
ジンがぽんぽんとあたしの頭を撫でて、にやっと笑う。
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