5:Other side of the smile

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早く、そして常識的に、桜井莉那はここから立ち去りたかった。 その耳が、待ち焦がれたバスのエンジンの音をとらえる。思わず、ほっと安堵の息が漏れた。 やっと遅れていたバスがやって来たようだ。 ぷしゅうぅっと扉の開閉音がしてバスの車体がこちら側に少し傾いてくる。乗車口に階段のない
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