7:SMILE for

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「301の、春日です。あの、今度、ランチでもご一緒しましょう?」 気弱そうな声で控え目に微笑むどん尻、春日。 「あ、はい。…ありがとうございます」 「もしよかったら、これから」 サブボス橋田が言いながら、ちらりとボスキャラ藤堂に目をやる。 「…あ、あの、ごめんなさい。ちょっとまだ片付けが終わってなくて、あの、また…」 語尾はぼかして頭を下げると、視界の隅で苦々しく笑う、藤堂。 がっちりと私に目を合わせて「そりゃそうよ。越したばかりだと忙しいわよね?何かあったら、気軽に声をかけてね」 うちのサブが気のきかないこと言ってごめんなさいね、と言いたそうな、やっぱり笑顔。 曖昧に頷いて、立ち去る。 あの中に入らなきゃいけないの?ああ。嫌だ嫌だ。 エレベーターに乗り込んでから、ほっと息をついた。 すぐに不快になる。香水の匂いが残っていて、否応もなく嗅覚が刺激される。 この甘ったるい香水は…。 あの女の華やかな笑顔を思い出す。「困ったことがあったらいつでも相談してね?」親切そうに言ったくせに……。 なによ! 知らず手を握りしめてしまう。 嫌だ。誰とも関わりたくない。 あの笑顔の下で、本当は何を考えてんだか、わかったもんじゃない。 だいたい、何かあったらって? 何があるのよ? あんた達に助けられる、何が? 部屋に戻ると電話が鳴っていた。 ぷるるるる ぷるるるる ぷるるるる 誰から? 一体、誰がここに電話をしてくるっていうの? この番号にかけてくる人が「私」に用事があるとは思えない。 ぷるるるる ぷるるるる ぷるるるる どうせ、あれ。 ただいま、お掃除の無料モニターを…とか 今、焼酎の特別セールで…とか
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