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クラス一番チビだったユリがジュリエットで、一番デカだった私が男子を差し置いてロミオ。
触れない唇のキスシーンで、100メートル全力疾走よりも心臓がバクバクして……。
それからはユリが他の、自分以外の人間としゃべったり笑ったりしてるだけで、胸が焼けて痛んだ。
知識でしか知らない恋愛。
まさかこれがそれに当てはまる感情だなんて、認めるのが怖かった。
ただ、大切な気持ちが膨れただけ。
そうやって、ずっとごまかしてきた。
「ふぅん。小2?」
「意識したのは……中2」
「遅っ!」
「え?そう?遅い?」
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