10:My Boss Your Hero

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いや。何、遊んでんだよ? ったくもー。 一昨日、正也と夜通し映画見たから?うわ。この疲れ感って、もしかしてそのせい? はぁ。やだね。年でもないけど若くもないか。 そう言えば正也なんて、昨日も今日も元気ビンビンで飛びまわって仕事してたもんね。 あーあれかぁ?5つの差って、やっぱおっきい? 飛行機が見えなくなるまで目で追ってみた。 「ふあぁー」 遠慮なく背伸び腰ストレッチ。ゴキっ!「でっ」 まさか、三崎に見られてないだろうね。思わずきょろきょろあたりを見回した時、ちょうど営業先から戻った正也と目があった。 あ。笑われた。笑顔でズンズンこちらにやって来る。 「晴海係長、ただ今戻りました」 いや。見りゃわかるけど?「お疲れさん」 「契約、取れました」 「おめでとう!棚橋、よかったね。あそこはまだ出店予定が多いから有望だよ」 「お陰さまで」 正也は礼儀正しく一礼し自分のデスクに戻ると書類仕事を始めた。 はぁ、良かった。一応、ノルマも達成したし、肩の荷が降りたな。まぁどうせ来月にはまた新しいノルマを背負うんだけどさ。は。ちょっと気が楽になった。 あとは、今日の仕事を終了させて、 さっさと病院に行って「はい、プチっていうか更年期ですね」とかって言われて、 とっとと家に帰ってハイボールでも飲みたいなって思っていた矢先だった。 「ちょっと!晴海係長!会議室に来なさい!」 小袖課長がきんきんした声をあげ、経理課の方から戻って来た三崎が口の端をちょこっと持ち上げるのが視界に入った。 ……で、あーなに?もうあれから45分?予約時間が……。
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