12:Will meet again someday

7/14
前へ
/324ページ
次へ
「温泉行こうぜ」 いつものように 荒口は 唐突に言って 「ああ いーよ」 いつものように アタシは 返事した。 何も考えずに。 言ってから 荒口を よくよく見れば 鞄。 「何だその荷物」 「一泊温泉だからな」 「はぁ?泊まりかよ?」 「お前も勝負下着用意しろよ?」笑っている。 「何、言ってんだ?」 「何だよ?礼儀だろ?親友への」 「意味わからん。ばかか?」 「ともかく行くから」 荒口は さっさとアタシの部屋に上がる と 勝手に クローゼットを開け 勝手に 服を 下着を 物色し 荷造りまでする と 「おっしゃ!出発!」 と アタシの腕を 掴んだ。 そこでなんで断んなかったのか 自分でもミステリーだ。 いや?ホラー?ある意味サイコ? 今さら確認だが アタシと荒口は親友だ。 やったこともねーし。 もちろん 今後も やるつもりはいっさい無い。 同性 と いっても過言じゃない ほどだ。 自慢じゃないが アタシは 同性とはできない。 個人の嗜好は いろいろありだけど アタシは ない。 抵抗感 乗り越え感 罪悪感 どんな心境 に なるか 想像できないくらいに ない。 荒口 とは 精神の作り が 違う。 荒口の 無闇な ヘムタイぶり。 けらけら 笑いながら あり得ん話 あり得ないあたり 逆に 笑い話に 似てて ウソ臭く だから こいつの口から飛び出すやった話なんか けらけら笑いながら聞ける くらいだった。 欲情なんて そこには無縁 だったはずだ。 しかも こいつ 単なる興味本位で 快楽至上主義で 男とやってみた やつ だから。 感想は 「愛はいらん。やればできる」って 何だよ それは。 たちが悪ことに ムダにイケメン やたらと ロマンチストな荒口 だ。 言い寄ってくる 女も男も 後を絶たん。 はやく 彼女でも作ればいい んだ。 じゃなきゃ つるんでるアタシが 迷惑 する。 一部の 人間達 には アタシ達は デキてる と 勘違いされてる らしいし 言い寄ってくる 男女から あからさまに 敵視 される。 ほんと なんで 
/324ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加