13:Fragment of delusion

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「あ。おお」 結月の瞳はキラキラしてて、疑いを知らない。 そんな目にあったのに…。こんな瞳で俺を、羽宮類を、見るんだ。 結月は知らないんだ。羽宮類のコト。羽宮類が結月に向けているキモチ。 「光太郎?」「ん?何?」 「…大好き、だから」 ドキンと鳴りだす心臓。けど深呼吸。 バニラ。結月の。 おおおぅっ!俺はバカか!バカなのかっ!? なんか気の効いたを言えっつーのっ!! 結月にこんなこと言わせてっ! 「あたしから離れないでね?」 「はっ離れるわけがないっ!」 結月のバニラ。桜色の唇。ちょこっと赤くなった鼻。きらきらの瞳。なんか今、俺…泣きそうかも…結月がかわい過ぎて。つーか心臓がぶっ壊れるかもっ! うふふ。 笑って結月は俺の胸にぎゅっと耳を押し当てた。 「光太郎の心臓、すっごくドキドキしてるよ?」 「ゆ、結月は……して、な、ないの?」 「してるよ?」 えーと…こ、この展開…コレはチャーンスッ!って、やつなのか? ま、まさかもしかしてだけど…む、胸くらい触っちゃったり、しちゃっても…いい、とか? いや!待て!待つんだ遠藤光太郎ぅっ! ついさっき結月から聞いた話を忘れたのかっ! ここで俺が急いてしまえば、また結月を怖がらせるじゃないかっ!そ、そーしたら、あのアレだって、結局はもっとお預けになるわけだっ! いかん!だから今はまだ止めておくんだ! ナイス判断だ!よおし、今はこのままなんもせんで我慢だっ!頑張れ俺!抑えろ俺! 女のくせに、大人で男前の羽宮類だったら、きっとそうする! やー!ちょーっと待てっ!
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