57人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ。おお」
結月の瞳はキラキラしてて、疑いを知らない。
そんな目にあったのに…。こんな瞳で俺を、羽宮類を、見るんだ。
結月は知らないんだ。羽宮類のコト。羽宮類が結月に向けているキモチ。
「光太郎?」「ん?何?」
「…大好き、だから」
ドキンと鳴りだす心臓。けど深呼吸。
バニラ。結月の。
おおおぅっ!俺はバカか!バカなのかっ!?
なんか気の効いたを言えっつーのっ!!
結月にこんなこと言わせてっ!
「あたしから離れないでね?」
「はっ離れるわけがないっ!」
結月のバニラ。桜色の唇。ちょこっと赤くなった鼻。きらきらの瞳。なんか今、俺…泣きそうかも…結月がかわい過ぎて。つーか心臓がぶっ壊れるかもっ!
うふふ。
笑って結月は俺の胸にぎゅっと耳を押し当てた。
「光太郎の心臓、すっごくドキドキしてるよ?」
「ゆ、結月は……して、な、ないの?」
「してるよ?」
えーと…こ、この展開…コレはチャーンスッ!って、やつなのか?
ま、まさかもしかしてだけど…む、胸くらい触っちゃったり、しちゃっても…いい、とか?
いや!待て!待つんだ遠藤光太郎ぅっ!
ついさっき結月から聞いた話を忘れたのかっ!
ここで俺が急いてしまえば、また結月を怖がらせるじゃないかっ!そ、そーしたら、あのアレだって、結局はもっとお預けになるわけだっ!
いかん!だから今はまだ止めておくんだ!
ナイス判断だ!よおし、今はこのままなんもせんで我慢だっ!頑張れ俺!抑えろ俺!
女のくせに、大人で男前の羽宮類だったら、きっとそうする!
やー!ちょーっと待てっ!
最初のコメントを投稿しよう!