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どうせ飼えないんだから。
最後まで責任持てないくせに。
余計なことをするべきじゃない。
自分を軽く叱って家路に着く。
もう
あれから何年?
いい加減
もう
いいんじゃないの?
古いアパートの錆が浮いた階段をのぼりながら
ふとそう思った。
立ち止まり
見下ろす。
漂う緑の匂いに
雹(ヒョウ)に打たれた街路樹は痛みを感じたのだろうかと
考える。
痛かろうが逃げるわけにもいかない。
同情するべき?
憐れむべき?
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