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それが膝を抱えて座り込んでいる。
ちらりとそれに目をやって
亜紀はテレビをつけた。
シャワーを浴びてパジャマに着替えて
冷蔵庫から缶ビールを2本取り出して
亜紀はその“何か”のすぐ前に膝を抱えて座った。
1本開けて“何か”の前に置く。
1本開けてぐいっと一口飲んだ。
ふっと息を吐くと
亜紀は苦笑いを浮かべる。
外側から見ればかなり滑稽だろうに。
「……ねぇ、もういいわよ」
ゆらりとそれは揺らぐ。
「仕方ないよね。人の気持ちは変わるんだもの」
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