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立ち上がり天袋から手紙を出すと
そこに記された番号に亜紀は電話をかけた。
『……もしもし?』
7年ぶりに聞くミクの声だった。
「一言だけ、言っておこうと思って電話したの。ミク、もういいから」
『亜紀?亜紀なのね?私』
「何も言わないで。長く話す気ないから。あれこれ聞くつもりもないし。もういいから。それだけ。私、引っ越すから。この番号にかけてきても、もういないから。サヨナラミク」
一気にそう言うと
亜紀は電話を切った。
それから電話線を抜いた。
手が震えている。
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