57人が本棚に入れています
本棚に追加
/324ページ
そこまで読むと
亜紀はくしゃりと手紙を握り潰した。
読んでどうなるの?
もういいって決めたのは
私。
ガスコンロの上に丸めた手紙を乗せると
亜紀はかちりと火をつけた。
めらめらと火に焼かれて黒焦げの灰になっていく言葉
その思い
過ぎ去った出来事。
いつまでも囚われていたって
仕方ない。
「さよなら」
焦げた匂いを嗅ぎながら
亜紀はそっと手を合わせた。
選ばれなかったのは私で。
選ばれたのはミクだった。
最初のコメントを投稿しよう!