2:Let it loose

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だけどもう どんなに鼻を引くつかせても どこにも緑の匂いは残っていなかった。 どこかでミオンと小さく けれど確かな声が聞こえた。 そう。 ここに留まる必要なんてない。 どこにでもいけるじゃないの 私は。 亜紀は 微笑みながら声のする方向へ足を向ける。 ミオン。 すぐ近くの街路樹のあたりから その小さく愛らしい声は亜紀を誘った。 空には細い子猫の爪のような三日月が輝き 亜紀のゆく道を微かに照らし出していた。 ~完~
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