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小さなシェル型の陶器のお皿も入っていて、たぶんだけど、下着やアクセサリーを入れられるように用意されたものだと思う。
スカートを脱ぎブラウスのボタンを外して脱いで、ハンガーに掛け新倉さんの服の隣に掛ける。
余計なことを考えないようにして機械的に脱いでいく。
素。
何も身につけていない自分の体を、見る。
まあ、いい。諦めよう。
それにしてもこんな素敵なホテル、誰と来たんだろう……。
彼女と?
今まで見ていた新倉さんとは別人の、男の顔を見たような気がして、心が波立つ。
浴室のドアを開けると、もわもわと湯気が立っていた。
しっとりと温かい水分を含んだ少し重たい空気は、待っていましたとばかりに私を招き入れて肌に纏わりついている。
充満するグリーンハーブの香りの中で髪を洗い、体を洗い、浴槽に体を沈める。
ミルキーな緑色のお湯からもわもわと湯気と一緒にグリーンハーブの香りが立ち昇っている。
ああそうか。
さっき新倉さんから漂っていたのは、この入浴剤の香りだ。
ゆっくりと深く、呼吸を繰り返す。
そうやって私の体にこの香りが染み込んで、そのうち吐き出す息がこのグリーンハーブの香りになるまで。
新倉さんと同じ香りになるまで。
あれ?でも上がったら、私、どうしたらいいのかな……。
体を拭いて、その後は……バスローブを着るの?
ん?
それとも服?
いやいや。
新倉さんがバスローブを着て出たんだからバスローブか。
え?下着はどこまで?下と……上も?
それとも下着なしでバスローブ?
いやいやいや。
なんかやる気満々じゃん……。
やだ。
そんな風に思われるの。
それに、私、もういきなり素、で見られるような体じゃないよ。
そうそう。
きれいな包み紙が必要なお年頃だもの。
……そういえば、私、黒や赤やターコイズブルーや、なんかすごい色の下着ばっかり持ってるけど……。
ふっと視界が黒ずんだ。
あれ?
なんかくらっとした?
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