3:Accomplice

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「仕事して帰って来て古瀬君のためにご飯作って、掃除や洗濯して、チャラの世話して、でもチャラは威嚇するし言うこと聞いてくれないし……。 それで、私、チャラと話し合ったんです」 「猫と、ですか?」 「はい。チャラを抱きあげて、目を見ながら、そんなんじゃこれから一生付き合う自信が持てないって。 私はチャラから見たら嫌なことばかりしてるから、嫌われちゃうのは仕方ないかもしれないけど、でも、これはチャラに元気になって長生きして欲しいからしてるんだよ?って。 チャラはじっと私の目を見つめ返していました」 「へぇ」 「そしたら次の日から、チャラが変わったんです」 「変わった?」 「はい。どこへでもついて来るし常に私にくっついてるみたいな感じで。すごく甘えん坊で」 「それは良かったですね」 「……ある日、おもちゃのゴムが右手にぐるぐる巻きになって、グローブみたいにパンパンに腫れちゃって。 古瀬君からすぐ帰って来てって電話が来て、私は仕事の途中で家に帰ったんです。 そしたら、チャラはテレビの陰で低い声出してて、古瀬君が近付くとしゃーって威嚇してて。 でも、私が呼んだらすぐに出てきてくれて、ゴムを外すときも痛いだろうに我慢してくれて……。 その時も委ねられている感じがして、絶対に幸せにしてあげようって思ったんです」 「古瀬さんに懐くっていうのは、わかる気がしますね。とても」 「飲み過ぎてお酒臭い息を吐いてても、忙しくてお風呂にも入れなくてぼろぼろの時も、 どんな私でもいつも変わらずに甘えてくれるし、楽しいときだけじゃなく、私が怒っていても泣いていてもそばにいてくれる。 そのままの私を、まるごとそのままで受け入れてくれて……。 私は、見返りを求めない、条件をつけない、無償の愛をチャラから教わったんです。 なのに……」 「……なのに?」
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