3:Accomplice

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逃げようとしているのか追いかけているのかわからない。 まだ果てない。彼の唇が触れた。 荒い呼吸と淡く途切れる声に、自分をなくしていく。 こんな声をあげるなんて。 「そんなに、煽らないで」 彼は囁く。 「可愛過ぎて、やめられない」 煽られているのは私。 彼の手で強く拘束されたまま体中を沸騰させて弾ける。 「足りないんだ。もっと」 不思議な感覚だった。 まだ先があるような気がする。 もっと深いところにいけるような気がする。 彼が欲しい。 このままずっとずっと、こうしていたい。 体をのけぞらせて、果てた。 互いの体を抱いて、胸の底にある思いをすくい上げる。 口に含み、噛み締めた。 愛しい。 でもそれだけじゃない、何か別の気持ちがあって奇妙な感じがする。 「……変な感じがします」 新倉さんの肩に顎を乗せるようにして、その耳に呟いた。 「どんなふうに、ですか?」 穏やかに問い返す声に胸が熱くなる。 「互いを助け合った……戦友を抱いてるような……」 ふふふ。
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