3:Accomplice

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私の耳に唇をつけて笑う新倉さんは、私にまわした腕にぐっと力を込めた。 「消耗の激しい戦いでしたね」 からかうような甘い声。 おでこをつけて見つめる。 軽いキス。 ここから、少しずつ距離を測ろう。 日常の、この部屋のドアの前に立っていた時の距離感へ、戻るために。 「一緒に入りましょう。また倒れたら大変ですからね」 新倉さんはそう言って、バスローブをはおり立ち上がる。 私にバスローブを着せかけ、手を差し出した。 「立てますか?」 その言葉に、頬が熱くなる。 「……大丈夫です」 「何で今、照れるんですか?あんなこと、さんざんしたのに?」 「……気がついたんですけど、新倉さんってSですね」 「そんなことないと思いますよ?古瀬さんには特別、優しくしていますからね」 「ウソ」 「それにも、気付かなかったのですか?」 「え……」 「もっと、イジワルしましょうか?お望みなら」 「……やだ、です」
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